「ワインの品位は、ブドウ畑から形づくられる」

1725年からカゼッタ家はイタリア北部のピエモンテ州に住み、

何世紀にもわたって家業であるワイン造りを行ってきた。

その手法は、手摘みや自然農法など

伝統的な畑づくり、ワインづくりにこだわったもので、

品質を向上させるための手間を惜しまない。

自らを一農民であると言う当主のエルネスト・カゼッタは

「ワインの品位は、ブドウ畑から形づくられる」と、

ブドウ畑に立つことの重要さを説く。

土や樹、ブドウに触れ、考えた時間はワインに投影されていく。

造り手がワインに似るのか、ワインが造り手に似るのか、

穏やかで優しく、それでいて奥深い味わいに魅了される。

「伝統派としてのワイン造り」

先進的なワイン造りの技術が

研究され開発されている昨今の時流の中で、

生産者の哲学によってワイン造りのスタイルは選択される。

ピエモンテ、特にバローロでは伝統派、現代派、中道派が入り乱れ、美意識が非常に流動的な地域だ。

その中で、カゼッタは自らを伝統派に位置付ける。

新しいテクニックは取り入れつつも、

畑づくりやワイン造りの基本スタイルは変えない。

畑づくりには自然なものだけを用いること、

ブドウは全て手で摘み選別すること、

フィルターやコラージュをしないこと、など。

これらは膨大な時間を要し、リスクを伴う。

ピンポイントの収穫時期に合わせた膨大な人員の確保。

雑味を排除し均質化するための工程を踏まず、旨みへと洗練する難しさ。

これらが全て正常に機能した時に、ワインは自然の持つ優しさと奥深さを備えていく。

祖先から受け継ぐ、自然派ワインの魂

カゼッタはBIO(有機)の認定を取得していない。

しかし、多くのイタリアのワイン造りがそうであったように、

創業した1725年以来、今で言う自然農法を貫いてきた。

畑には雑草も生え、虫や微生物が活動する。

生きた土で満ちる小宇宙は、

ワインにたくましさや複雑性を与えていく。

それが彼らにとって父から子へ、

子から孫へ受け継いできた伝統であり、

ワイン造りの自然なスタイルなのだ。

 カゼッタの商品一覧